口唇裂口蓋裂などの問題

外表奇形(がいひょうきけい:目に見える部位の奇形)の中で、わが国では口腔と顎に発生する先天性の形態異常には、口唇裂(こうしんれつ)や口蓋裂(こうがいれつ)がもっとも多くみられます。

view42

お気に入り お気に入り0

お気に入りに追加

  • 口唇裂

     (原因) 妊娠の初期(顔や口蓋が形成される2~3か月ごろ)に胎児に異常な力が加わったり、母体の栄養障害や精神的なストレス、さらに副腎皮質ステロイド薬や鎮痛剤など形態異常を誘発する薬(催奇性薬剤)を使ったり、風疹(ふうしん)にかかったり、放射線照射を受けることなどが要因としてあげられています。一部では遺伝によるものもあります。また、発生率は高齢出産になるほど高いともいわれています。 しかし、原因は不明なものが大多数を占め7割に達しています。(症状) 審美的な障害や哺乳(ほにゅう)あるいは摂食障害、また発音障害などがみられます。また手足や耳の形態異常、ヘルニアや心臓の形態異常を合併することもあります。口蓋裂では口腔と鼻腔とが交通しているため鼻咽腔(びいんくう)が食物で汚染され、二次的に扁桃炎(へんとうえん)や中耳炎(ちゅうじえん)をおこしやすくなります。(治療) 出産直後から成人するまでの長期間にわたる、一連の治療が必要となります。それには口腔外科、矯正歯科、小児歯科、形成外科、耳鼻咽喉科、小児科、言語治療科、一般歯科などによる総合治療が必要です。

  • 口唇裂口蓋裂

  • 口蓋裂 胎児がお腹のなかでしだいに成長するとき、顔は左右から伸びるいくつかの突起が癒合することによってつくられています。しかし、この癒合がうまくいかないと、その部位に裂け目が残ってしまいます。その結果として、唇が割れた口唇裂(こうしんれつ)や、口蓋が裂けて口腔と鼻腔がつながっている口蓋裂が発生します。口蓋裂には、一見、口蓋に裂け目がないように見えても、粘膜の下の筋肉の断裂がおきているものがあり、これを粘膜下口蓋裂といいます。また、顎の骨が裂けている場合は顎裂(がくれつ)といいます。 これらの異常はしばしば合併します。口唇裂と顎裂の合併を唇顎裂(しんがくれつ)、顎裂と口蓋裂の合併を顎口蓋裂(がくこうがいれつ)、口唇裂、顎裂さらに口蓋裂の合併を唇顎口蓋裂(しんがくこうがいれつ)と呼びます

  • 口蓋裂児ではミルクを上手に飲んだり、顎の正常な発育を促すためのホッツ床という装具(プレート)を生後可及的早期に作成し口腔に装着します。
     口唇裂を閉鎖する形成手術の時期は、抵抗力のできる生後3~4か月、体重6Kgが目安とされています。
     一方、口蓋裂では言葉を覚え始める1歳半から2歳ごろに口蓋形成術(こうがいけいせいじゅつ)を行なうのが理想的です。手術後は正しい発音ができるように言語治療を行ないます。
     手術後も鼻咽腔の閉鎖が不十分な場合は、発音が鼻声となります。このような場合には、スピーチエイドとよぶ補助器具を装着することもあります。