乳房再建 乳がんで失った乳房を取り戻す!

乳がんで乳房にメスを入れざるを得なかった…その悲しみを和らげる方法の一つに乳房再建があります。乳房再建とはいったいどういったものなのか?基礎知識をご紹介します。

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  • ◎アンジーも再建!

  • ハリウッド女優のアンジェリーナ・ジョリーさん(37)が乳がん予防のために、両胸の乳腺切除の手術をおこなったと告白して、世界中の関心を集めている。

    乳腺を切除すると、乳房の大半を失うことになる。現在は再建手術により、「美しく」戻ったという。
    出典 :アンジェリーナ・ジョリーが選択した「乳腺切除」 技術が格段に進歩、「美しい」再建できる : J-CASTニュース
  • アンジェリーナさんの文章には、措置の過程もつづられている。まず乳首を温存するため、乳管とその周りの血管を除去する処置をした上で、2週間後に手術で乳房組織を取り除いた。
    そこで、アンジェリーナさんは9週間後、乳房のかたちを再建するため、インプラントを埋めこむ手術を受けた。一般に、乳がんでの乳房切除後の乳房再建術では、インプラントには、シリコンまたは自分の組織が用いられる。ここ数年で再建の技術は格段に進歩しており、「美しい」結果になりえたようだ。
    出典 :アンジェリーナ・ジョリーが選択した「乳腺切除」 技術が格段に進歩、「美しい」再建できる : J-CASTニュース
  • アンジェリーナ・ジョーリーも行った乳房再建手術とはいったいどのようなものなのだろうか?

  • ◎乳房再建手術

  • 乳がん治療により、変形してしまったり、失ってしまった乳房をふたたびとりもどすのが「乳房再建」です。
    出典 :乳房再建とは|乳房再建をお考えの方へ|がん研有明病院

  • あなたがもし不運にも『乳がん』と診断され、乳房にメスを入れざるを得なくなった時、あなたには『乳房再建術』を受けることができるという選択が得られます。乳房再建をなさるかどうかはあなた自身が決めることです。それは決して特別なことではありません。


    また、乳房再建はあなた自身だけでなく、家族や親しい友人にあなたが乳がんであったことを忘れさせてくれるでしょう。


    あなたが失いかけていたものを乳房再建によって再び取り戻す気持ちがあれば、再建を考えてみてください。乳房再建により、あなたが病気から解放されて日常生活に復帰することが容易になることもあります。


    現にこれまで乳房再建を行った患者さんたちは


    『家族や友達と温泉へ出かけたい』
    『ゴルフ場で汗を流してから帰りたい』
    『パットの着用がわずらわしい』
    『孫と一緒にお風呂に入りたい』
    『水着やラウンドネックのTシャツを着たい』
    『将来誰に介護されても同情されないようになりたい』


    などの理由で再建を行い、現実にあきらめかけていたこれらの夢を再び実現することができました。
    選択の第一歩は再建手術に関して、できるだけ正しく、詳しい情報を得ることです。



    出典 :乳がんと乳房再建 | 医療法人社団 ブレストサージャリークリニック
  • ◎3つの再建の方法

  • 乳房再建には基本的に3つの方法がある。

  • (1)人工乳房を使用する。
    (2)体のほかの部分から皮膚や脂肪、筋肉を移植する。
    (3)人工物と自分の組織の併用。
    出典 :乳がんと乳房再建 | 医療法人社団 ブレストサージャリークリニック
  • あなたが受けた乳がん手術の大きさ、残存した組織の量、放射線照射をしているかどうか、反対側の乳房の大きさ、形などが、どの方法を用いるかの目安になります。またあなたの体型、職業、趣味なども方法を選択するのに重要な要素となります。
    出典 :乳がんと乳房再建 | 医療法人社団 ブレストサージャリークリニック
  • ●人工乳房を使用する方法

  • ◆組織拡張器(ティッシュ・エキスパンダー)+人工乳房(シリコン・インプラントを用いた)による再建法

  • 適応となる例:
    乳房温存術、皮下乳腺全摘術、非定型的乳房切除術後
    出典 :乳がんと乳房再建 | 医療法人社団 ブレストサージャリークリニック
  • 人工乳房手術に用いるシリコン

  • シリコンの断面 

     

    弾力がある。

  • 手術手順としては、エクスパンダーにより十分な皮膚の進展を得た後に、人工乳房(シリコン・インプラント)と入れ替えますが、乳房を切除したときと同じきずから皮膚を切開してシリコン・インプラントを挿入します。この際には、きずが目立たないように形成外科的な特殊な縫合を行い、最終的にできるかぎりきれいな仕上がりになるよう工夫しております。
    出典 :乳房再建の方法|乳房再建をお考えの方へ|がん研有明病院
  • 人工乳房(シリコン・インプラント)を用いた乳房再建の最も大きな利点は、体のほかの部分にきずをつけたり、身体の他の部分を用いることなく、再建手術を行うことが可能であるという点です。

    全身麻酔は必要ですが、きわめて低侵襲の手術であり、実質の手術時間も約30分から1時間程度で済みます。

    術後の合併症の心配もほとんどなく、入院期間も最短(通常2泊3日)で済みます。

    一方、欠点としては、シリコン・インプラントは人体にとってはあくまでも異物であるため、インプラントを挿入してしばらくたつとインプラントの周りには皮膜(ひまく)といってうすいカプセルのようなものができてきます。そして何もせずに放っておくと、この皮膜はだんだん縮こまってきてしまうため、せっかくいい形で入っていたインプラントがだんだん変形してきてしまうことがあります。そのため、インプラントの手術を選んだ場合には皮膜拘縮(ひまくこうしゅく:ひまくがちぢまってしまうこと)をおこさないように主治医の指導のもとでマッサージをおこなわなければいけません。

    身体にはいる異物であるインプラントの問題点としては、感染症の問題があります。一般的には、シリコン・インプラントを用いた再建で約3%の患者さんに感染症が生じるといわれています。感染が生じた場合には、インプラントを取り出さなければ感染がなおらないことがあります。

    治療費の点から考えると、現段階ではシリコン・インプラントを用いた乳房再建手術は健康保険の適応外となっており、すべて自費による負担となります。

    また、シリコン・インプラントでは形状的に下垂した乳房への適応が難しいことや、対側(治療していない側)が年齢とともに下垂してもシリコン・インプラントで再建した乳房の形態には変化が起きないため、手術直後の自然な乳房の対称性が徐々に失われていくといった難しい点が考えられます。

    この問題に対する解決策としては、
    1.乳房下溝(にゅうぼうかこう:乳房の下のライン)を少し低い位置において左右のバランスをとる、
    2.健側(手術をしていない側)の乳房を少しつりあげることによって両側とも若々しい印象にする、
    3.健側を豊胸することで乳房下垂の改善をはかる、

    などの治療をおこない、患者さんの希望する形に可能な限り近づける工夫がされています。

    また、術後放射線照射を受けている方、もしくは照射を予定されている方では合併症の頻度が増すことからシリコン・インプラントは適応とはならず、その場合には自家組織での再建を推奨しています。
    出典 :乳房再建の方法|乳房再建をお考えの方へ|がん研有明病院
  • ●自家組織を用いる方法

  • ◆腹直筋皮弁法

  • 自分の組織(自家組織:じかそしきともいいます)を身体のある場所からほかの場所へ移動することによって欠損した部分をおぎなう再建手術の方法を、「皮弁(ひべん)法」といいます。

    自家組織による乳房再建方法は、大きく分けると「腹直筋皮弁法」といっておなかの組織を使って再建する方法と、「広背筋皮弁法」といって背中の組織を使って再建する方法の2種類があります。 通常、背中の脂肪組織と筋肉はそれほど厚いものではなく、これらの組織だけで乳房を再建するにはボリュームが不足することが多いです。
    出典 :乳房再建の方法|乳房再建をお考えの方へ|がん研有明病院
  • ここで腹直筋皮弁による再建方法をいくつか紹介。

  • ・有茎腹直筋皮弁法

  • 有茎腹直筋皮弁法

  • 腹直筋皮弁を用いた再建方法には、いくつかのバリエーションがあるのですが、最も古典的な方法は、「有茎腹直筋皮弁法」といって、腹直筋の上側をつけたまま皮膚の下を通して腹直筋、脂肪組織皮膚を胸部に移植する方法です。この方法は顕微鏡を使って血管をつなぐ高度な技術が必要なく、上腹壁動静脈によって組織に血流が送られるため、安全性の面から考えると、組織全体の血流がわるくなることはあまりないのですが、問題点として、先ほど解剖のところで申し上げた通り、移植した組織にゆきわたる血流が十分でないことがあり、組織の一部の血流が悪くなったり硬くなったりすることがあります。また、腹直筋の片側はすべて犠牲にせざるを得ないところも、デメリットのひとつです。しかし、手術手技が単純で、高度な手術技術を必要としないため、自家組織移植のなかでは、現在でもなお国内で最も使われる頻度が高い方法になっています。
    出典 :乳房再建の方法|乳房再建をお考えの方へ|がん研有明病院
  • ・遊離腹直筋皮弁法

  • 遊離腹直筋皮弁法

  • 「遊離腹直筋皮弁法」はおなかの組織の血流が下からのものの方が優っているため、下腹壁動静脈を栄養血管として腹直筋皮弁を採取し、乳房を再建する方法です。胸部に移植する際には、肋骨の下にある内胸動静脈に皮弁の血管をつなぐために、「マイクロサージャリー」とよばれる特殊な顕微鏡下での手術を行い、直径1.5mmから2mmくらいの血管をつなぎます。

    この方法のメリットは、血流の信頼性が高いため、「有茎腹直筋皮弁法」に比べるとより広い面積の組織を使うことができるという利点がありますが、その一方で、「有茎腹直筋皮弁法」と同じく、片側の腹直筋は犠牲にしなければなりません。

    また、血管吻合(マイクロサージャリー)を確実に成功させるためには高度な技術が必要となりますが、当科では、がんによる体のさまざまな部分の欠損を再建する手術を多数行っており、これらの手術のなかでは、マイクロサージャリーは最も日常的な技術のひとつになっています。
    出典 :乳房再建の方法|乳房再建をお考えの方へ|がん研有明病院
  • ・深下腹壁穿通枝皮弁法

  • 深下腹壁穿通枝皮弁法

  • 1990年代前半から、乳房再建の先進国であるヨーロッパやアメリカの一部を中心に、腹直筋を犠牲にせずに腹部の皮膚、脂肪組織と下腹壁動静脈を移植する穿通枝皮弁法という方法が行われるようになってきました。

    この方法は、筋肉の機能を残したまま組織を移植することができるため、最も理想的な方法といえるわけですが、筋肉から血管をはずす作業は高度な技術が必要で、手術時間も通常の腹直筋皮弁法に比べると長くならざるをえないのが難点といえます。
    出典 :乳房再建の方法|乳房再建をお考えの方へ|がん研有明病院
  • (欠点)

    まず、欠点についてですが、筋肉や神経を丁寧に分けて温存する作業が必要なため、技術的な難易度が高く手術時間もインプラントに比べるとずっと長くなります。

    また、回復までに時間がかかり、術後約2日間はベッド上安静が必要で、入院期間も約10日前後となり、少し長くなります。また、インプラント比べれば、おなかの傷が増えることも否めない事実です。

    (利点)

    その一方で、利点について挙げますと、従来の腹直筋皮弁法に比べて筋肉や筋肉を動かす神経をできるだけ残すため、身体に対する侵襲を最小限にできるというメリットがあります。言いかえれば、自家組織による再建手術の中では最も身体にやさしい手術であると言えます。

    また、自分の組織であるため、仕上がりの外観やさわった感触がインプラントに比べて非常に自然であることも特徴の一つです。

    さらにインプラントでは表現できない大きめの乳房や下垂した形を表現することも可能です。

    皮弁の採取部のきずは短所で申し上げたとおり、下腹部に残るのは確かですが、おへそから約10センチ下方であり、下着にうまくかくれる位置なので日常生活のうえでは通常は目立ちません。

    治療費については、自家組織による手術であるため保険診療の適応であり、インプラントに比べると、経済的な負担が少ないこともメリットのひとつです。


    出典 :乳房再建の方法|乳房再建をお考えの方へ|がん研有明病院
  • ●人工物と自家組織を併用する方法

  • ◆広背筋皮弁法(人工乳房と併用)

  • 適応となる例:
    非定型的乳房切除術後で脇の下の凹みが著しい例、放射線照射例、定型的乳房切除術後


  • この手術法は、根治的な手術により大胸筋と広い範囲の皮膚に欠損を来たし、鎖骨下や脇の下に凹みができてしまい、人工乳房だけでは覆えない場合や、皮膚の放射線照射によるダメージが著しく、エキスパンダーによる伸展ができそうもない例、大胸筋は残っていても、皮膚が薄かったり、胸部の凹みがひどくて肋骨が浮き出ているようなケースに用いられます。


    広背筋とは読んで字のごとく背中にある広い筋肉ですが、どんなに太っていても背中に胸を作るだけの脂肪がついている人はいないため、腹直筋皮弁と異なり、広背筋の筋肉自体が乳房を作る主体となります。しかしこの筋肉だけで乳房を再建するにはいささか分量が足りないことが多いこと、また筋肉というのは廃用性萎縮といって、使われなくなると萎縮してしまうため、乳房に移植されて必要な機能をしないと後から乳房が小さくなってしまうことから人工乳房を併用する必要があります。


    技術的にも体力的にも腹直筋皮弁よりもはるかに簡単な手術ではありますが、背中に傷が残ることには変わりません。また、筋肉を採取すると術後出血や浸出液が溜まるため、術後には背部にドレーンと呼ばれる管を入れることになります。


    基本的には1週間程度の入院が必要ですが、背中の痛みは思いのほか少ないため、最近では通院が可能な距離であれば日帰りでやることもあります。


    出典 :乳がんと乳房再建 | 医療法人社団 ブレストサージャリークリニック
  • ◎乳輪、乳頭の再建も

  • 乳房のふくらみが再建されて数ヶ月を経てから、乳輪、乳頭の再建を行うことが一般的です。
    乳輪乳頭は乳房の顔のようなものですから、位置が少しでもずれるとおかしくなってしまうため、乳房の大きさ、形が落ち着いてからの方がよいでしょう。
    出典 :乳がんと乳房再建 | 医療法人社団 ブレストサージャリークリニック
  • ◆乳輪の再建

  • (1)Tattoo(刺青)
    (2)健側からの移植
    (3)鼡径部からの移植
    があります。
    出典 :乳がんと乳房再建 | 医療法人社団 ブレストサージャリークリニック
  • ◆乳頭の再建

  • (1)健側からの移植
    (2)局所皮弁法
    出典 :乳がんと乳房再建 | 医療法人社団 ブレストサージャリークリニック
  • 乳房再建等の手術には合併症などのリスクもあるため、きちんと医師と相談しましょう。