肝硬変についてと、食事療法についてまとめてみました。

肝硬変の予防には、過労を避け、禁酒をし、バランスのよい食事をとることです。

  • wolf 更新日:2013/09/19

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  • 肝硬変とは?

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    肝硬変は、ひとつの独立した疾患というよりも、種々の原因によって生じた慢性肝炎(まんせいかんえん)が治癒しないで、長い経過をたどったあとの終末像であって、その肝病変は一般に非可逆的(元にはもどらない)と考えられてきました。すなわち肝硬変とは、種々の原因によってびまん性の肝細胞の壊死(えし)と炎症、再生が繰り返し起こり、その場所に高度の線維が増生した結果、肝臓の本来の小葉(しょうよう)構造と血管系が破壊されて偽(ぎ)小葉と再生結節が形成され、肝臓が小さく、かつ硬くなる病気です。

  • したがって臨床的には、肝細胞障害による肝機能の低下、門脈圧亢進(もんみゃくあつこうしん)、および門脈‐大循環系短絡(たんらく)(シャント)形成の3大要因により、症状の乏しい初期から多様な症状を示す進行期まで、その程度はさまざまです。肝硬変は肝臓だけの病気ではなく、全身性疾患だという認識が大切です。

  • 肝硬変の原因

  • 肝硬変をきたす病気には次のようなものがあります。

  • ■ウイルス性
      B型肝炎ウイルス
      C型肝炎ウイルス
    ■自己免疫性
      自己免疫性肝炎
      原発性胆汁性肝硬変
    ■非アルコール性脂肪性肝炎
    ■アルコール性
    ■代謝性
      ヘモクロマト-シス
      ウイルソン病
    ■その他

  • 肝硬変の症状

  • くも状血管拡張:首や前胸部、頬に赤い斑点ができる。
    手掌紅班:掌の両側が赤くなる。
    腹水:下腹部が膨満する。大量に貯まると腹部全体が膨満する。
    腹壁静脈拡張:へその周りの静脈が太くなる。
    黄疸:白目が黄色くなる。
    羽ばたき振戦:肝性脳症の症状のひとつで、鳥が羽ばたくように手が震える。
    女性化乳房:男性でも女性ホルモンがあるが、肝臓での分解が低下するため乳房が大きくなる。
    丸萎縮:男性で女性ホルモンが高くなるため睾丸が小さくなる。

  • 血液検査

  • ・アルブミン値:肝臓で作られるタンパク質の代表。肝硬変になると多くの場合、3.5g/dl以下に低下する。
    ・血小板:止血の際に働く血球の代表。肝硬変になると10万/mm3以下に低下することが多い。
    ・コリンエステラーゼ:肝臓で作られるタンパク質。肝硬変では低下する。
    ・プロトロンビン時間:血液が固まる時間を表す。肝硬変では血液凝固因子が低下するためプロトロンビン時間が延長する。
    ・アンモニア:腸内細菌で産生されるが、肝硬変では分解が低下するため血液中に増加する。
    ・総ビリルビン:黄疸を表す指数。肝硬変で機能低下がおこると1.2 mg/dl以上に上昇する。

  • 画像診断

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    ■腹部超音波
      肝硬変かどうかを超音波だけで診断することは困難。
      腹水の有無や脾臓腫大の間接的診断に用いる。
      進行すると表面の凹凸が明らかになる。
    ■腹部CTスキャン
      肝硬変かどうかを診断することは困難。
      腹水や脾臓腫大の有無を診断する。
    ■腹腔鏡
      肉眼的に肝臓を観察し、肝硬変かどうかを直接診断できる。
    ■肝生検
      肝臓を一部針で採取して、顕微鏡で肝硬変かどうかを診断する。

  • 肝硬変の治療

  • 肝硬変そのものを治療できる薬剤はほとんどありません。

  • ・B型肝炎ウイルスが原因の場合には、エンテカビルやラミブジンという抗ウイルス薬を内服することによって肝機能の改善が期待できます。
    ・C型肝炎ウイルスが原因の場合には、ウイルス型が2型であるか、1型でもウイルス量が少ない場合にはインターフェロンβという抗ウイルス薬(注射)による治療が健康保険で認められています。
    ・肝硬変では分岐鎖アミノ酸(バリン、ロイシン、イソロイシン)が低下するため、これを薬として補充することによって肝臓でつくられるアルブミンなどのタンパク質が改善します。
    ・肝移植:腹水や黄疸が一般的な治療によって改善しない場合には、基準を満たせば肝移植を受けられるようになりました。
    出典 :独立行政法人国立国際医療研究センター 肝炎情報センター│肝硬変
  • 肝硬変の食事療法の基本

  • ★カロリー、たんぱく質の不足を避け体重を維持する
    ★ビタミン、ミネラルの欠乏を防ぐ

      合併症を伴わない場合は、基本的に一般的なバランスのよい栄養摂取が大切です。
      ただし、病気の症状などにより、バランスのとれた食事が難しくなる場合もあります。
      以下の7点に注意してみましょう。

  • ■禁酒がベスト

    アルコールが分解されると、アセトアルデヒドなどの有害物質が作られます。傷ついた肝臓は、この有害物質を浄化することができません。お酒を乱用すると、ビタミンB1やビタミンB6などの栄養素が上手く吸収されないことが知られています。更に、お酒を飲むことで、食事の量が少なくなり、必要なたんぱく質、ビタミン、ミネラルが不足する傾向があります。肝硬変の種類に関係なく、お酒をやめることで合併症のリスクを減らすことができます。

  • ■たんぱく質とカロリーを十分に

    肝硬変が進行すると、たんぱく質とカロリー不足による栄養不良がよく見られます。これは、食欲不振や味覚障害にも関連していると言われています。食欲不振は、腹水、すい臓・肝臓の肥大による消化器官の圧迫、味覚障害は肝臓機能の低下による亜鉛不足なども考えられます。食欲不振の原因を少しでも減らすために、腹水の改善のために、食塩や水分を控えたり、亜鉛の摂取量に気をつけるのもよいでしょう。たんぱく質とカロリーを摂りすぎる必要はありませんが、標準体重ならば維持を目標にするとよいでしょう。

  • ■体を有害物質から守る

    肝硬変になると、免疫力が弱くなったり、有害物質を処理できなくなります。食中毒を起こさないように、食品には十分火を通すようにしましょう。野菜や果物など、生で食べるものは、よく洗って使うようにしましょう。何らかの民間療法を利用する際は、肝臓に負担にならないように十分注意するようにしましょう。

  • ■食事の回数を増やすことも考慮

    肝硬変になると、活動のエネルギー源として、脂肪や筋肉が使われやすくなります。これは、栄養状態の低下を促す可能性があります。長時間に渡り食事をしないと、脂肪や筋肉が使われやすくなるので、特に朝食を抜いたり、朝食が遅くならないように注意しましょう。夕食後に間食を摂るなどし、可能な場合は1日の食事の回数を増やすのもよいでしょう。たんぱく質は一度に摂らず、一日に渡って分散して摂取すると、効率よく吸収されやすいと言われています。

  • ■筋肉を維持しよう

    体が十分なエネルギーを得られないと、筋肉を分解してエネルギーを作り出してしまいます。十分なたんぱく質とカロリーの摂取に加え、筋肉の量を減らさないように、軽い運動をするのもよいでしょう。運動の量や種類については、医師と相談しましょう。

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    ■栄養バランスに注意する

    肝臓がうまく栄養素を処理できなくなるのに加え、食欲不振などにより、十分な栄養摂取が難しくなります。栄養価の高い食品を効率的に取り入れることが大切です。具体的な栄養摂取量が知りたい場合は、管理栄養士と相談するのもお勧めです。おいしくてバランスのよい食事を作るために、本を参考にするのもよいでしょう。

  • ■栄養補助食品やサプリメントの利用も

    食事を作る際に、栄養ばかりを気にしていては、食欲が減退してしまうケースもあります。栄養バランスの悪い食事ばかりでは問題ですが、食べたいものを摂りながら、たんぱく質やカロリーが摂れる栄養補助食品やサプリメントを利用するのも1つの手段です。マルチビタミンや亜鉛などのサプリメントの必要性について、医師や管理栄養士に相談するのもよいでしょう。