こどもの知能とIQとは・・・

知能とは何か、IQとは何か、そしてこどもの知能とIQとの関連は・・・

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  •  知能とは、「知能検査で測定されるものである」というふうに、昔は心理学科の心理検査法だったでしょうか、その講義で教わったものですが、その後は、新しいと言われていた多因子理論や知能構造理論が知能の概念として考えられるようになりました。

     実際には、大学教育では歴史的な意味合いもあってか、古典的な定義を重視して講義は進められ、新しい理論はまだ研究中であるような話でありましたが、実際の現場では、すでに新しい概念で標準化された知能検査が、普通に使われていました。

     でも、知能とは、「標準化された知能検査によって測定されるもの」というのは、永遠に不滅な定理ではないかと個人的には思っております。

     しかし、知能検査というのは、標準化されているとはいえ、そしてまた最新の理論に基づいた知能検査によって行われる測定であると言っても、知能が測定される面というのは、過去に標準化されたものに比べれば、多面的になっているとはいえ、知能全てを必ずしも測定できているとは言えないと思います。

  •  知能とは、先天的なもの(親から受け継いだ遺伝的なもの)、そしてまた不変なものという考えが、未だに強く存在しているようですが、知能とは確かに遺伝的な要因もありますが、必ずしもそれだけで決まるものではありませんし、こどもの発達、経験、等によって知能指数は変動するものであり、年齢に伴って変動もあることが認められています。

  • ギルフォードの知能構造モデル

     

    知能が多面的、多因子であることを示した概念図。
    知能は、120の因子で構成されるとしている。

  • IQ・EQ・SQ

     

    IQ:Intelligence Quotient
    EQ:Emotional Intelligence Quotient
    SQ:Social Quotient

  •  知能指数とは、標準化された知能検査によって測定され、算出された数値であります。

     [比率IQ]=[精神年齢(MA)]÷[生活年齢(CA)]×100 で算出される数値が、いわゆる知能指数(IQ)で、ビネー式検査での結果はこの数値で表されます。

     偏差知能指数=([個人の検査得点]-[母集団の平均値] )×15÷母集団の標準偏差+100 で算出される数値も知能指数と言われることがありますが、DIQと呼ばれるもので、ウェクスラー式検査での結果はこの数値で表されます。

  • 知能指数分布概念図

     

     「標準化された」知能検査の結果により算出された知能指数は、図のように理論上では正規分布をするという事になっております。

     知能指数は、知能を表す一つの指標でありますが、この正規分布の概念に基づいていることから、「知能指数が高いひとはとても数が少なく貴重である」という考え方が生まれてしまいました。

  • 標準偏差に基づいた各種数値

     

     一番上の軸が基準となっている「標準偏差」であります。

     5列目にT-Scoreとなっているのが、悪名高き「偏差値」であります。

     そしてまた「知能偏差値(ISSもしくはSS)」でもあります。

  • 知能指数と職業別収入の相関図

  •  くり返しになりますが、IQ(知能指数)とは、標準化された知能検査の実施結果で算出されるものであります。

     こどもの知能指数は、その算出のための検査の実施は、個別式検査として代表的な田中ビネー式検査で2歳から、WISC-Ⅳは5歳からとなっております。

     田中ビネー式検査は、対象年齢は成人までとなっています。WISC-Ⅳは、16歳11ヶ月までとなっています。

     小さなこどもの知能指数は、知能検査では測定、算出が困難、つまり知能指数は算出できないので、必要に応じて知能検査の代わりに発達検査を行い発達指数(DQ)を算出して、こどもの発達状態を確認します。また、幼児を対象としたWPPSIもあります。

  •  知能検査の実施方法には、上記のような個別式検査と集団式(団体式)検査があります。

     集団式知能検査は、小中学校で行われるもので、その結果を本人はもちろん保護者も、余程、結果が悪くない限りは知らされることは無いと思われます。集団敷地脳検査は、元々、アメリカ合衆国でIQの算出を目的にすると言うよりは、兵役に適当な知能を持つか持たないかを鑑別するための検査として考案されたもので、それが日本に入ってきて、教育に配慮が必要な知能の状態の生徒を知るためのツールとして、教育現場で利用されるようになったものであります。

     集団敷地脳検査の結果も、IQとして算出され、また、ISS(SS)という知能偏差値で示されることもあります。

  •  知能検査は、その場の認知、判断、処理能力の測定を目的とする検査です。

     すべての検査について言える事ですが、検査を短期間の間隔で行う事は、練習効果や慣れの問題が発生して、正しい結果を得ることが難しくなります。

     そしてまた、スピードテストでありますから、いかに速く性格に問題をこなして行くかが結果を左右してしまいますので、練習、予習を繰り返すなどもっての外の行為であり、そうした経験を繰り返した中で検査を受けて、その結果で算出された知能指数は、誤った知能指数であると言うことになりましょう。

     しかし、その一方で検査を行う側の教示の仕方によって、検査を受けるこども(大人も同様)の動機づけの高さや、意欲が異なってきますので、検査を行う側がこどもの能力を最大限に発揮させるよう、良い教示を行うようにする必要があると思います。

  • WISCーⅣの構成

     

    児童用個別検査の代表のWISC-Ⅳの構成図です。
    WISC-Ⅳは、全IQ(FSIQ)の算出のために、4つの構成要素から成っています。

  • WAISーⅢの構成

     

    成人用(個別)検査の代表でもあるWAIS-Ⅲの構成図です。

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     知能が高い子どもたちの事を、Gifted Child という事がありますが、その子どもたちが社会環境に適応出来るかというと、その所属する社会環境によって異なると思います。
     知能指数が125以上あれば、この Gifted Child の仲間になれるという考え方もあるようだが、本当の Gifted Child の知能指数はそのように低いものではないと思います。
     Gifted Child の概念も単に知能指数が高いだけと言わなくなったというのは、当然の経過だと思います。

     知能指数、知能検査は、検査者の教示の仕方と被検査者の動機付けと意欲とによって結果はかなり違ってくることは、この検査の限界を示していると言えます。
     検査者の教示が悪くて、被検査者の動機付け、意欲が低ければ、当然ながら低い結果になりますし、その逆になれば高い結果になる事は自明な事であります。
     しかし、知能というのは多面的なものであり、知能検査の結果もその一部を顕したものであると言うことは、解っておかなければならない事でありましょう。

     知能検査の結果に一喜一憂するよりも、こどもの能力をのびのびと伸ばす過ごし方、楽しい事を、好きなことを見つけるかかわりが第一だと思います。

     「好きこそものの上手なれ」であります。