夢の新薬といわれた”イレッサ”問題とはなんだったのか

錠剤を服用するだけで肺癌に効く夢の新薬と謳われながら、その後重大な副作用によって多数の死者を出したイレッサについてまとめてみました。

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  • イレッサとは

  • アストラゼネカ社が製造販売する抗悪性腫瘍剤、ゲフィチニブ製剤の商品名
    出典 :イレッサ訴訟 - Wikipedia
     

    イレッサ錠250というのが正式な商品名。

  • ゲフィチニブ製剤は手術不能または再発した非小細胞肺癌に対する治療薬として用いられる。
    出典 :ゲフィチニブ - Wikipedia
     

    外科手術で摘出困難な小さい病巣や、再発してできたガンに対して用いる飲む錠剤。
    基本的にステージIV以降に使われる。

  • 夢の新薬

  • 今までの抗がん剤は病院で何時間も点滴しなくてはならなかった。この薬なら自宅で治療でき、普段通りの生活を送れます
    出典 :イレッサ薬害被害者の会-イレッサ関連報道
     

    2001年8月 9日 読売新聞(医療と介護)

  • がん細胞の増殖、転移などに関係する分子レベルの要因を制御する。
    出典 :イレッサ薬害被害者の会-イレッサ関連報道
     

    2001年8月 9日 読売新聞(医療と介護)
    それまでの抗癌剤と違い、がん細胞だけに効果がある、まさに夢のような新薬と報道されていたようです。

  • イレッサは前評判がとにかくすごかった。全く承認もしていない、申請も出していないのに、2001年10月頃から医学関係の新聞(写真は2001年10月25日の記事)や雑誌で特集記事が組まれました。そして承認後はテレビ番組でも「夢の新薬」であるかのように紹介されました。承認された適応症は「手術不能又は再発非小細胞性肺癌」。後者は、ほぼ「前に抗がん剤を使用したことのある肺がん」という意味です。イレッサは、「分子標的抗がん剤」、つまり、がん細胞だけを狙ってやっつけて、正常な部分にはほとんど影響がないので安全、と宣伝されました。このため、肺がん患者は期待し、医師もたいへん期待しました。
    出典 :「薬のチェックは命のチェック」季刊誌 第9号 ステロイド剤
     

    当時国の承認前から夢の新薬として大々的に報道されていました。

  • 発売

  • 2002年7月、申請から5ヶ月という異例のスピードで世界で初めて日本で承認されました。
    出典 :薬害イレッサ事件とは | 薬害イレッサ弁護団
     

    世間の期待が大きかった事もあり、優先的に認証検査を行なったようです。

  • 副作用問題

  • 販売開始から僅か2年5ヵ月で557人の死亡が報告
    出典 :イレッサ薬害被害者の会
     

    副作用による間質性肺炎での死者数が多い事がニュースになりました。

  • 服用後の急性肺障害・間質性肺炎等に係る副作用報告の 報告件数及び死亡件数(平成18年3月31日現在)

  • これを受けて東京と大阪で計15人の原告による訴訟が起こされました。

  • イレッサ登場から裁判までのおもな時系列

  • おもな流れ

  • 裁判

  • 主な争点

  • 医療機関向け添付文書に記載した副作用の注意喚起が不十分で、製造物責任法(PL法)上の欠陥に当たるか
    出典 ::日本経済新聞
  • 判決

  • 最高裁第3小法廷(寺田逸郎裁判長)は12日、製薬会社に対する原告側上告を棄却した。
    国の勝訴は既に確定しており、原告側全面敗訴の二審・東京高裁判決が確定した。
    出典 ::日本経済新聞
     

    原告側の全面敗訴が確定しました。

  • 判決理由

  • 添付文書の記載が適正かどうかは「医薬品を処方する医師の知識や能力、記載の体裁などを総合考慮し、予見できる副作用の危険性が十分明らかにされているかで判断すべきだ」と指摘した。
    出典 ::日本経済新聞
     

    市販薬でない医薬品の記載事項は患者のためのものではなく、処方する医師に向けての文書だということです。

  • 抗がん剤には一般に間質性肺炎の副作用があり、肺がん治療を行う医師が添付文書を読めば、危険性を認識できたのは明らか」と判断。製薬会社が、イレッサ特有の急速に重篤化する間質性肺炎を予見できたともいえないとして、添付文書の記載は不適切とはいえないと結論付けた。5人の裁判官の全員一致。
    出典 ::日本経済新聞
  • 国や製薬会社の責任だとする意見

  • 原告を含め、原告側にたった人達の意見を抜粋しました。

  • 主治医は服用前に重大な副作用がある説明をせず、副作用がほとんどない旨の説明をし、主治医は服用後の十分な経過観察を行わなかった
    出典 :イレッサ訴訟 - Wikipedia
  • 安全性を過度に強調して致死的な危険性について全く触れない広告宣伝のせい
    出典 :イレッサ訴訟 - Wikipedia
  • 国や製薬会社のせいではないとする意見

  • 重要な副作用』への記載順番で将来起こる可能性を全て予測できれば、こんな楽な話はありません。限られた症例からは未知の重篤な副作用が多発することを予測すること、ましてやその順番を明らかにすることは極めて難しいと言わざるを得ません。それを行政や承認審査の部会や審議会の責任にすることは妥当ではありません。
    出典 :イレッサ訴訟 - Wikipedia
     

    社団法人日本病院薬剤師会

  • 本当に訴えられるべきは、不適切に過剰な処方をした医師だったと思います。これが、海外の先進国であれば、確実に処方した医者が訴えられ、裁判で負けます。弁護士は、医師を訴えるよりも、国を訴えた方が勝ちやすいと思ったから国を訴えたのだけだと思います。問題の本質を履き違えています。
    出典 :Twitter / Katsumata_Nori: 本当に訴えられるべきは、不適切に過剰な処方をした医師だったと ...
     

    腫瘍内科医の勝俣範之医師。

  • イレッサは、専門医どころか、開業医さんも、歯医者さんも処方したいた事実があります。夢の新薬と言われ、肺がんどころか、乳がんや子宮がんにも処方した医者がいます。専門家は誰も「夢の新薬」などと言っていません。メディアがはやしたてただけです。それを真に受けたのは、非専門家医です。
    出典 :Twitter / Katsumata_Nori: イレッサは、専門医どころか、開業医さんも、歯医者さんも処方し ...
     

    腫瘍内科医の勝俣範之医師。

  • イレッサは元々末期の方の予後をおだやかに過せるために処方される抗癌剤でした。完治させるための薬ではありませんでした。
    しかし当時のマスコミの異様な持ち上げにより過大評価され、あげくは専門医でもない歯科医までもが処方していた事が当時の死者数の多さの原因のように思います。