胃粘膜下腫瘍の手術の種類

胃粘膜下腫瘍で悪性と判断された場合の外科手術の方法などをまとめてみました。

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  • 胃の粘膜の下にできる腫瘍をまとめて、「胃粘膜下腫瘍」と呼びます
    出典 :胃粘膜下腫瘍(GIST)の新しい手術治療(LECS、TANKO) | 胃がん | がん研究会
     

    胃粘膜下腫瘍には、良性のものから、悪性のものまで様々な種類の腫瘍が含まれています

  • 胃粘膜下腫瘍の種類

  • 筋原性腫瘍、神経性腫瘍、そしてGISTを含むそれ以外の腫瘍に分類されます。
    出典 :独立行政法人労働者健康福祉機構 東北労災病院 外科ホームページ
     

    他にもリンパ腫、平滑筋細胞由来の腫瘍、神経系腫瘍、脂肪細胞由来の腫瘍、血管内皮細胞由来の腫瘍、基底細胞由来のカルチノイドなどに加え、迷入膵、顆粒細胞腫などがあります。うち、GISTの一部、悪性リンパ腫、脂肪肉腫、血管肉腫、カルチノイドの一部では転移をきたすこともあり、悪性度の高いものもあります。

  • 診断までの流れ

  • 胃粘膜下腫瘍(SMT)の治療方針

     

    センチ以上のものや、大きくなっているもの、形がいびつなものなどは
    詳しく調べた後に手術などの治療を検討することになります。
    5センチ以下であれば、腹腔鏡手術という傷の小さな手術が検討されます。

  • 手術

  • 一般的に胃の一部を切り取るだけ
    出典 :N. Wada, M.D. as a surgeon: 胃の粘膜下腫瘍について
     

    術後の食事の心配はあまりありません。
    しかしながら、腫瘍の場所や大きさによっては、たくさん胃を切り取る必要もあります。

  • 局所切除術が主に行われています
    出典 :胃粘膜下腫瘍(GIST)の新しい手術治療(LECS、TANKO) | 胃がん | がん研究会
     

    胃がんとは違い、リンパ節などに転移しにくいために、腫瘍の周囲だけを切除する局所切除術が主に行われています。

  • 最も多いのが消化管間質腫瘍

  • 大きくなるにつれ悪性度が増すことが特徴
    出典 :N. Wada, M.D. as a surgeon: 胃の粘膜下腫瘍について
     

    1980年代以前は平滑筋腫あるいは平滑筋肉腫と呼ばれていました。
    胃にとどまっているものは、手術で切除すれば治ります。
    転移した場合には薬物療法が行われますが、根治することは困難と言わざるを得ません。
    しかし、上手に薬物治療を行えば腫瘍の増殖を抑えたまま生活することができます。

  • 胃がんの手術との違い

  • 左は局所切除術、右は幽門側胃切除術

     

    リンパ節郭清を行うか行わないかの違いがあります。典型的な胃がんの手術では、胃の半分以上を切り取り、胃のまわりにある決められたリンパ節を一緒に取ってきます。その後、残った胃と十二指腸や小腸をつなぐ手術になります。これに対し、胃粘膜下腫瘍の手術は、局所切除(きょくしょせつじょ)と呼ばれる方法が基本です。局所切除では腫瘍だけを完全に切り取ります。まわりのリンパ節は取りません。局所切除では胃のほとんどが残ります。

  • 主な手術の方法

  • 腹腔鏡下胃局所切除

  • 腹腔鏡を用いて腫瘍を切除します
    出典 :胃粘膜下腫瘍(GIST)の新しい手術治療(LECS、TANKO) | 胃がん | がん研究会
     

    一般に行われている胃局所切除の方法です。
    開腹手術と同じ全身麻酔下で行います。まず腹腔内(腹腔:お腹の壁と臓器との間の空間のことです)に炭酸ガスを入れて膨らませ、おへそから細い高性能カメラ(腹腔鏡)を挿入します。この際、同時に手術操作に用いる器具を挿入するために、5~10ミリの小さなあなを左右に合計4-5ケ所に開けます。そして先のカメラで撮ったお腹のなかの様子をモニターに映し出して、胃の切除を行います。

  • 腹腔鏡・内視鏡合同胃局所切除

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    腹腔鏡で手術をすると同時に、内視鏡を使って胃の中からも同時に腫瘍を観察、切除する方法です。

    胃粘膜下腫瘍は、胃の中側に出っ張っていたり、外に出っ張っていたりするので、胃の中と外から見ることでより正確に腫瘍の範囲を見定めて切除することができます。そのために切除する範囲が最低限で済みますので、手術後の胃の変形が最小限で済み、胃の機能をほとんど損なうことなく手術することができます。

  • 単孔式腹腔鏡下胃局所切除

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    おへその創だけから、手術をする方法です。

    創がおへその3-4cm程度の創だけなので、術後の創の痛みも少なく、整容性にも優れた方法です。

    さらに上述の腹腔鏡・内視鏡合同胃局所切除と組み合わせることで、痛み、整容性、胃の機能、いずれの面でも患者さんに優しい手術が可能となります。

  • 単孔式胃内手術の場合手技が従来法の胃内手術より難しくなりますから、時間がかかります。
    出典 :GIST09
     

    来法では2時間程度だったものが、単孔式で行うと、3時間程度(約1.5倍)になります。