脳科学とはどんな学問?

テレビや雑誌などに「脳科学者」がよく登場します。何を研究しているのでしょうか。

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  • 脳科学とは

  • 脳科学者達は、次のような基本的な質問への答えを見つけようと試みている:脳の中に見られる多くの遺伝子及びたんぱく質の機能は何か?脳細胞は、どのようにしてお互いに合図しあうのか?脳はどのようにして成長し、我々が学んだ時には何が起こるのか?老化の影響を逆転し、脳への損傷を修復することができるか?人工知能の装置を作り出すのに、どのようにして我々の持つ脳の機能への理解を適用できるか?
    出典 :脳科学とは | 脳について | 理化学研究所 脳科学総合研究センター(理研BSI)
     

    日本で唯一の自然科学の総合研究所として、物理学、工学、化学、生物学、医科学などに及ぶ広い分野で研究を進めている独立行政法人理化学研究所からの引用です。
    脳科学は、ヒトを含む動物の脳と、それが生み出す機能について研究する学問分野である。比較的新しい学問分野と言えます。

  • 脳科学を研究する学会

  • 日本脳科学会の前身は脳研究会(昭和49~平成6年)という研究会でした。
    生命体の行動および恒常性維持ならびに人のこころの健康に、脳神経系がどのように関与しているかの総合的、学際的研究を促進することを目的とする学会です。
    出典 :日本脳科学会Japan Brain Science society
     

    「日本脳科学会は、これまで、医学系、薬学系、実験心理学系、工学系の会員で構成されてきました。日本脳科学会は臨床心理学、教育学、社会学・社会福祉学、保健・看護学からの会員を募ることにいたしました」とあるようにとても間口の広い学問分野です。
    学会の理事長は、浜松医科大学医学部精神神経医学教授・子どものこころの発達研究センター浜松センター長の森則夫さんです。

  • 日本脳科学会の生みの親は直木賞作家

  • 日本脳科学会の母体はGABA・GABOBおよびその関連物質研究会 (中枢作用物質研究会) (昭和34~48年) と日本条件反射学会 (昭和37~48年) です。この2つの学会は、ともに故林髞教授 (当時、慶応大学医学部生理学:直木賞を受賞した推理作家、木々高太郎は林のペンネーム) により創られました。
    出典 :日本脳科学会Japan Brain Science society
  • 探偵小説で直木賞を受賞した医学博士

     

    『人生の阿呆』で探偵小説初の直木賞を受賞した木々高太郎(ペンネーム)は、元慶応大学医学部生理学教授であった林髞博士です。心理学者のパブロフ博士の最後の日本人の弟子でもありました。

  • マスコミに登場しない脳科学者

  •  

    脳科学者といえば、茂木健一郎さんが有名ですが、茂木さんは学会の主要メンバーではありません。
    学会の理事には、石川紘一(日本大学医学部教授、薬理学)、伊豫雅臣(千葉大学大学院医学研究院教授、精神医学)、上田秀一(獨協医科大学教授、神経生物学)、田中達也(旭川医科大学教授、脳神経外科学)、鶴紀子(九州保健福祉大学社会福祉学部教授、心理学)、遠山育夫(滋賀医科大学分子神経科学研究センター教授、神経遺伝子解析学)、平松緑(東北公益文化大学教授、神経生化学)、福永浩司(東北大学大学院教授、神経薬理学)などの名があります。専門分野を見るとまちまちです。 マスコミには、あまり登場していない人たちです。

  • 日本脳科学関連学会連合

  • 日本脳科学関連学会連合は、我が国の脳科学の基礎・臨床研究者を代表し、脳科学の発展ならびに普及を通して社会に貢献することを目的として、国内の基礎・臨床脳科学関連19学会によって設立されました。
    出典 :概要 | 日本脳科学関連学会連合
     

    2012年7月に発足しています。

  • 日本脳科学関連学会連合会長

     

    宮下保司( みやした やすし)

    1949年東京生まれ。脳科学者、神経生理学者。東大講師、オックスフォード大客員講師などをへて、1989年東大教授。1991年「認知記憶の大脳メカニズム」で慶応医学賞、2004年「大脳の記憶メカニズムの解明」で朝日賞。2007年「連想記憶ニューロンの発見と大脳認知記憶システムの解明」で学士院賞を授賞している。

  • 東京大学大学院医学系研究科の宮下保司教授、平林敏行助教らは、物体についての記憶を思い出す際に用いられる側頭葉の神経回路と信号の伝達、伝播、生成、増幅の動作をサルの実験で解明した。この研究は、科学技術振興機構(JST)の課題達成型基礎研究の一環として行われ、成果は米Neuron誌(インパクトファクター14.7)のオンライン速報版で2013年1月9日(米国東部時刻)に公開された。
    出典 :JSTと東大医の宮下保司教授ら、記憶を思い出す源の神経回路を解明、ノーベル経済学賞の因果性解析を活用:日経バイオテクONLINE
     

    宮下教授の研究は高く評価されされています。

  • 21世紀は「脳科学の世紀」

  • 1990年,米連邦議会は「脳の10年」を決議した。20世紀最後の10年に向けて,脳研究を国全体で推し進めようという宣言は,世界の注目を集めた。
    出典 :特集1:幕開ける脳科学の世紀 | 日経サイエンス
     

    日本では21世紀を脳の世紀と位置づけている。

  • 脳の世紀推進会議

  • 脳の世紀推進会議理事長・伊藤正男

     

    理化学研究所脳科学総合研究センター・特別顧問東京大学医学部教授、理化学研究所脳科学総合研究センター所長などを経て、現職。日本学士院賞・恩賜賞、日本国際賞、文化勲章、レジョン・ドヌール勲章などを授賞。
    専門分野は、脳神経生理学。抑制性シナプスのイオン過程の解析、小脳プルキンエ細胞の抑制作用の発見、小脳の運動学習機能の解明、シナプス可塑性長期抑圧の発見。