たくさんある! 乳がんの治療法

乳房切除にもいろいろな種類があるように、乳がん治療にはたくさんの方法があります。それらにはどのようなものがあるのでしょうか?“もしも”の時のために、どのようなものがあるのか把握しておこう!

view543

お気に入り お気に入り0

お気に入りに追加

  • ◎乳がん治療の歴史

  • 乳がん治療はどのような歴史をたどってきたのか?乳がん治療の歴史を簡単にご紹介します。

  • ◆2005年は節目の年!

  • 2005年は日本の乳がん治療において記念すべき年でした。1805年、ちょうど200年前、花岡青洲が日本初の麻酔薬を用いて、乳がん手術を行ったからです。
    出典 :乳がん治療の歴史: 乳がんの基礎知識
  • ◆ハルステッド手術

  • ハルステッド手術

  • 乳がん手術で長い間標準治療とされてきたのは、1900年代初頭にハルステッドという人が提唱した手術法でした。これは疑わしいものは全て切除するという考えのもと、乳房はもちろん、大胸筋、小胸筋、さらに、当時乳がんはリンパ節を経由して全身に広がると考えられていたので、わきの下のリンパ節も全て除去するというものでした。  しかし、この手術は、肋骨が浮き出るなど術後の傷跡が目立つ上に、わきの下のリンパ節を郭清するため、腕の末端から心臓に向かうリンパ液の流れが阻害され、腕がむくんだり、感覚が鈍くなったりという後遺症に悩まされることも少なくありませんでした。  しかし、ハルステッド手術は約70年間の長きに渡って標準治療として継承され、そのため定型乳房切除術とも呼ばれました。
    出典 :乳がん治療の歴史: 乳がんの基礎知識
  • ○郭清(かくせい)

  •  「郭」という字は、「囲い」や「外まわり」という意味です。リンパ節は脂肪組織の中に埋まっていて、肉眼で見分けるのが困難です。そのためリンパ節だけを切除することはできず、周囲の脂肪組織ごと切除します。切除後、指で探りながらリンパ節を取り出し、病理医にまわします。
    出典 :乳がん治療の歴史: 乳がんの基礎知識
  • ◆「乳がん全身病説」

  • ハルステッド手術への評価が一変するのは、1970年代に入ってからです。大規模な臨床試験(正式には大規模無作為化比較試験といいます)が行われ、その結果、リンパ節転移は既に全身のどこかにがんが潜んでいることの指標であるという、フィッシャーたちが唱えていた「乳がん全身病説」が証明されたのです。更に1980年代に入ると、早期乳がんに対しては、乳房を切除しても温存しても、治療成績に差がないという試験結果が相次いで発表されました。これが乳房温存療法の普及のきっかけとなり、乳がんは小さく切除して直す時代に入ったのです。
    出典 :乳がん治療の歴史: 乳がんの基礎知識
  • ◆温存療法

  • ハルステッド手術は次第に減少し、1990年代の初めには乳房温存手術と逆転が始まり、現在はほとんど姿を消しています。現在では、乳がん手術が行われる全国平均の約半数が乳房温存療法ではないかといわれています。病期(ステージ)Ⅰ期、Ⅱ期の乳がんに対する標準治療が、現在ではこの乳房温存療法でしょう。  がんの大きさが5cm以下(後の項を参照してください)であれば、基本的に温存療法が可能です。これは、5cm以下であれば全員乳房を残せるという意味ではありません。乳房を残せるかどうかは、乳房の大きさとがんの大きさのバランスによって決まります。つまり、手術でがんの取り残しがなく、しかも美容的にも満足できる状態で乳房が残せると予測できれば、乳房温存療法の対象となるわけです。
    出典 :乳がん治療の歴史: 乳がんの基礎知識
  • ◆乳房を残せるがんの大きさの目安

  • 日本の「乳房温存療法ガイドライン」には、「3cm以下」ということになっています。ただし、3センチ以上でも患者が温存療法を希望する場合は、十分な術前・術後治療ができるかどうか検討する、という注意がついています。このガイドラインがつくられたのは1999年で、もう古いことと、本来、何cmという大きさで決められるべきでない後の項で説明します。
    出典 :乳がん治療の歴史: 乳がんの基礎知識
  • ◎現在行われている乳がんの治療法

  • 現在行われている乳がんの治療法は?

  • 乳がん治療は、手術を基本とし、それに放射線療法、薬物療法組み合わせて行われるのが普通です。外科手術は切除範囲によって5段階に分かれます。
    出典 :現在の乳がん治療の概観: 乳がんの基礎知識
  • ◆外科手術

  • ①腫瘍核出術

  • 腫瘍核出術とは、しこりだけをくり抜くように切除するものです。これは本来診断目的で行われるものですが、がんを強く疑う場合は、がんから約1cm外側を切除します。乳房円状部分切除術ともいいます。
    出典 :現在の乳がん治療の概観: 乳がんの基礎知識
  • ②乳房部分切除

  • 腫瘍核出術からもう少し範囲を広げ、しこりを中心に周囲2cmの正常乳腺も含めて切除することを乳房部分切除といいます。この中には扇状に広がるひとつの乳管系を切除する乳房扇状部分切除術も含まれます。  腫瘍核出術とこれが、乳房温存手術です。
    出典 :現在の乳がん治療の概観: 乳がんの基礎知識
  • ③乳房単純切除術

  • 乳房は全部切除するが、筋肉、リンパ節は温存することを乳房単純切除術といいます。
    出典 :現在の乳がん治療の概観: 乳がんの基礎知識
  • ④胸筋温存乳房切除術

  • 胸筋温存乳房切除術には、大胸筋だけを残すペイティー手術と、大胸筋、小胸筋共に残すオーチンクロス手術の2つがあります。リンパ節郭清はどちらも行います。
    出典 :現在の乳がん治療の概観: 乳がんの基礎知識
  • ⑤ハルステッド手術

  • 乳房、筋肉、腋窩(えきか)リンパ節を全て切除するのがハルステッド手術です。
    出典 :現在の乳がん治療の概観: 乳がんの基礎知識
  • ◆術前化学療法

  • 最近では、Ⅱ期でも少し大きめのがんや、もしくは一部のⅢ期のがんに対し、手術前に化学療法(抗がん剤)を行い、がんを縮小させて乳房温存療法に持ち込む「術前化学療法」も増えています。
    出典 :現在の乳がん治療の概観: 乳がんの基礎知識
  • ◆センチネルリンパ節生検

  •  転移する場合、がんの病巣からがん細胞が最初に流れ着くリンパ節があることがわかり、注目されています。これがセンチネルリンパ節(後の項でくわしく説明します)です。そこを調べてもし転移がなければ、それより先のリンパ節にも転移はないと考えられることから、リンパ節郭清は行わなくてすみます。センチネルリンパ節生検は、既に欧米では標準治療として認められ、日本でも急速に普及しています。
    出典 :現在の乳がん治療の概観: 乳がんの基礎知識
  • ◆乳がん会議(センチネルリンパ節)

  • ザンクトガレン国際乳がん会議という専門家による会議で、センチネルリンパ節に転移が認められない場合はその先のリンパ節にも転移はないという学説が承認されています。また、アメリカ乳癌学会の調べでは、センチネルリンパ節生検を日常的に行っているアメリカの病院は全体の85%に達しています。
    出典 :現在の乳がん治療の概観: 乳がんの基礎知識
  • ◆放射線療法

  • 放射線療法については、乳がんは放射線がよく効くがんです。一般に扁平上皮がん(のど、鼻、口など)に比べ、腺がん(胃、大腸など)は放射線が効きにくいといわれます。乳がんはほとんどが腺がんですが、腺がんの中では、もっとも放射線が効くがんです。
    出典 :現在の乳がん治療の概観: 乳がんの基礎知識
  • ◆乳房温存療法の際の放射線療法

  • 乳房温存療法とは乳房温存手術+放射線治療のことですが、放射線治療は術後の再発をを防ぐ目的で行われます。更に、手術不能の進行乳がんや遠隔転移した乳がんに対しても放射線治療は有効です。
    出典 :現在の乳がん治療の概観: 乳がんの基礎知識
  • ◆個別化

  • 乳がんの薬物療法では、最近「個別化」ということがいわれています。乳がんとひと口に言っても、閉経前か後か、ホルモン療法が有効な人無効な人、他に抗がん剤が効く人効かない人、とさまざまです。そこでその人のがんの特性をよく調べて、もっとも効果的な薬を選択しようというのが「個別化」です。いわば既製服からオーダーメイド服への転換と言っていいでしょう。それだけ選択肢が増えてきたのです。いずれにしろ、乳がんは全身病ととらえられるようになり、薬物療法の重要性が増しています。
    出典 :現在の乳がん治療の概観: 乳がんの基礎知識
  • ◆化学療法

  • 薬物療法には、化学療法とホルモン療法があります。  化学療法とは、抗がん剤を使った治療のことですが、これは多剤併用、つまり作用の異なる抗がん剤を2,3種類同時に、あるいは順次使うのが基本です。また、抗がん剤といえば、副作用のつらさがよく知られていますが、最近は副作用の吐き気を抑える薬も進歩しています。  
    出典 :現在の乳がん治療の概観: 乳がんの基礎知識
  • ◆分子標的治療薬

  • 化学療法の分野での話題は分子標的治療薬でしょう。2001年に日本で初めて分子標的治療薬として認可されたのが、トラスツズマヅ(商品名ハーセプチン)です。これは分子レベルでがん細胞を狙い撃ちする薬で、再発・進行乳がんに対する延命効果が期待されています。
    出典 :現在の乳がん治療の概観: 乳がんの基礎知識
  • ◆ホルモン療法

  • ホルモン療法とは、乳がんの6~7割が女性ホルモン依存症(女性ホルモンなしには増殖できない)であることに着目し、なんらかの方法で女性ホルモンの供給を阻害して、がん細胞の増殖を抑えようという療法です。この分野では、従来の抗エストロゲン剤(タキモシフェン)よりもアロマターゼ阻害剤の効果のほうが優れているという報告が、ここ数年の間に相次ぎ、注目されています。  ここまでは乳がん治療の全体を最近のトピックスを中心に触れました。次からは、それぞれについてくわしく解説していきましょう。
    出典 :現在の乳がん治療の概観: 乳がんの基礎知識
  • 乳がん治療にはどのくらいかかるのだろうか?治療費の例を挙げます。

  • ◎乳がん治療費例

  • 乳がんの治療費はどのくらい?

  • <公的医療保険適用分>
    手術療法(10日間入院)総額約65万円、うち自己負担分(3割負担)約20万円
    放射線療法(25回)総額約30万円、うち自己負担分(3割負担)約9万円
    化学療法・CMF(6ヵ月間)総額約10万円、うち自己負担分(3割負担)約3万円
    化学療法・AC+T(6ヵ月間)総額約70万円、うち自己負担分(3割負担)約25万円
    ホルモン療法・抗エストロゲン剤(5年間)総額約85万円、うち自己負担(3割負担)約26万円
    LH-RHアゴニスト製剤(2年間)総額約135万円、うち自己負担(3割負担)約40万円
    <公的医療保険適用外>
    差額ベッド代・・・個室や少人数部屋などに入院したときにかかる費用です。
    医療機関によって違いますが、1日1000円程度から、1万円以上のこともあります。

    特殊な医療費・・・人工乳房による乳房再建術や高度先進医療など、公的医療保険が適用されない治療費です。
    その他の雑費・・・医療機関への交通費、テレビのレンタル代、衣類代やクリーニング代などです。

    出典 :乳がん治療の費用