腸閉塞のメカニズムをまとめる

腹痛が急激に発症し、短時間で緊急手術の必要性を迫られる腹部の急性疾患の一つが腸閉塞です。

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  • 腸閉塞症とはどんな病気?

  • 別名を「イレウス」とも言い、腸内容の通貨障害が何らかの原因によりおこり、腸液、ガス、糞便などが腸内腔に充満し、排便や排ガスがなくなり、腹痛、嘔吐、腹部膨満などの症状が出現します。

  • 急激に状態が悪化して、重篤な全身症状を起こす事もあるため、早期に適切な処置が必要となる恐い病気です。

  • 原因は?

  • 腸閉塞の原因には大きく二つに分けられます。

    一つは「機械的イレウス」といい、腸管の器質的な病変により腸管内腔の狭窄、閉塞を起こすものです。

    ● 開腹手術後や腸管の炎症により起こる癒着
    ● 大腸癌などの腫瘍や、腸の炎症性病変による腸管の狭窄
    ● 異物の誤飲や、糸コンニャクなどの大量の不消化性食物の摂取

    等によるものです。

  • 腸管は腸間膜という膜の中の血管によって栄養を受けています。腸管の閉塞と同時に腸間膜もしめつけられ腸管壁の血行障害を起こし、腸管が壊死に陥り、急激に激烈な腹痛を訴え、ショック症状を起こし全身状態が急速に悪化する事があり「絞扼性イレウス」とよばれ、緊急手術が必要となります。

  • もう一つは「機能的イレウス」とよばれるものです。腸管の気質的な原因がなく、腸管を支配する神経の障害により腸管の運動障害が起こり、腸管内容が停滞するものです。これには、腹膜炎による炎症の腸管への波及や、開腹手術後による腸間麻痺、薬物中毒やヒステリーなどの神経性因子によるものなどがあります。

  • 腸閉塞で全身状態が悪化?

  • 腸管の閉塞がおきると、それより口側の腸管は通過障害のため拡張し、腸液やガスが充満します。腸内容の貯留により腸内圧が亢進すると、腸管壁の血管が圧迫され血行障害を起こし、腸管は浮腫状となり、腸液やガスなどの吸収が障害されます。やがて腸管内の腸内細菌が異常増殖して毒素が産生されて、これらが腹腔内や血中に移行することで敗血症を起こしてしまいます。

  • 横隔膜は押し上げられて呼吸機能低下、腹部の大血管も圧迫されて静脈の流れが悪化し、心臓や腎臓の機能にも及ぼします。また、嘔吐や腸管の吸収障害から水分・電解質喪失が起こり、著しい脱水と電解質異常をきたします。これらの要因が相互に関連し悪循環となって急激に重篤な全身状態の悪化をもたらします。

  • 治療はどうするのですか?

  • 大腸がんが腸閉塞をもたらすことも - YouTube

  • 治療法も症状により異なります。絞扼性イレウスと診断した場合は、全身状態が急激に悪化するため、緊急手術が必要です。閉塞性イレウスの場合は、腸閉塞の病態の悪循環を予防、改善することが大切です。脱水の改善、電解質異常の補正のため、適切な輸液を迅速に点滴投与します。腸内細菌の増殖・毒素産生の予防のためには、これらの菌に感受性の高い抗生物質を点滴投与します。また、栄養管理の目的で中心静脈栄養(IVH)を行う事もあります。