意外にあなどれないぞ、「昼寝」の効果

昼寝と言えばかつては「さぼり」のイメージが強かったですが、最近では効果的に昼寝を取り入れることで、生産性の向上や健康の増進につながることがわかってきています。

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  • なぜ昼寝が必要か?

  • 慢性的に睡眠不足の人が多いから

     

    7時間~9時間の睡眠が理想とされているが、実際は4時間~6時間の睡眠の人が多い

  • 昼食を抜いている、量が少ない、栄養が偏っている人が多いから

     

    これらの人々は午後になると血糖値が低下し、疲労度を感じやすくなる。昼寝をしないと体力を消耗してしまう。

  • そもそも人間は昼寝をする生き物だから

     

    普通、人間は夜寝て朝起きるが、そもそも人体はそのように設計されていないことは既に証明されている。あくまでも覚醒リズムは体内時計に依存しているので、昼間に眠くなることは極めて自然なこと。

  • そもそも人間は、命を守るために昼寝が必要だったから

     

    人間は加齢とともに様々な注意能力や判断能力が低下する。昼寝をすることで体力を回復させ、能力の低下を補ってくれる。人間が狩猟生活を送っていた頃、これらの能力の低下は命を落とすことにもつながるため、短時間の昼寝が1日の生活に組み込まれていた。

  • 昼寝は学習効果を向上させる

  • 「スポーツや勉強ができるようになりたければ、仮眠をとろう」。最近の研究で、こんな仮眠の利点がわかってきた。ポイントは運動や勉強を終えた後、すぐに寝ることだ。睡眠中に脳が活発に働き、覚えた体の動かし方や知識が記憶として固定されやすいという。通常の睡眠に加え、仮眠もとることを専門家は提案する。

    早稲田大学の内田直教授と大学院生の守田優子さんが2011年に手がけたおもしろい実験がある。複数のボールや棒をお手玉のように回す「ジャグリング」を経験のない人に習得してもらうため、30分間練習した後の過ごし方を変えてみた。8人ずつ2つのグループに分け、一方は70分間仮眠をする。もう一方はテレビを見たり本を読んだりして過ごす。

    結果は仮眠をした8人の方が上達が早かった。平均で何回ボールを回せたかを調べたところ、練習直後は4.4回だったが、仮眠をはさんで夕方にもう一度テストしたら7.9回に増えた。これに対し、起きて過ごしたグループは3.6回から4.9回へと、わずかに増えただけだった。

    効果が持続するのかを検証するため、翌日の朝にもテストをした。昼間に起きて過ごしたグループは7.6回にとどまったが、仮眠をとったグループは14.5回と、前日の夕方の2倍近くできるようになった。「仮眠は体が休まるだけでなく、習得した技能を向上させる効果も期待できる」と内田教授は話す。
    出典 ::日本経済新聞
  • 仮眠が向上させるのは、スポーツや運転などの技能だけではない。知識の獲得といった学習にも効果がある。さまざまな研究で、睡眠によって脳内で記憶を整理して保持する作業が進むことがわかってきた。特に、覚えたい情報を詰め込むのは寝る直前がよいとされる。「勉強をした直後に仮眠をとれば、学習効果はより高まる可能性がある」と栗山室長は話す。

    1日6~8時間程度、まとめて眠る通常の睡眠パターンでも、記憶の定着は進むという。ただし、勉強や運動に打ち込む受験生やスポーツ選手など、昼間に過大な情報入力がある場合、「通常の睡眠だけでは脳が情報を処理しきれない可能性もある」(栗山室長)。こうしたケースは仮眠も組み合わせて分散処理すると、高い学習効果が期待できるという。

    睡眠によって記憶が定着する仕組みは次のように考えられている。起きている間に学習した内容は、脳の中央部にある海馬という場所に一時的に保管される。睡眠中にその情報は整理されて海馬から大脳のあちこちに移り、なかなか消えない長期記憶として保たれるようになる。

    この脳の働きは記憶する領域を空けて新しい情報を取り込めるようにする効果もあるという。勉強の合間に仮眠をとるようにすれば、学習の効果が上がりやすい。一夜漬けは科学的には効果が期待しにくいという。
    出典 ::日本経済新聞
  • では、仮眠はどのくらいの時間が効果的なのか。「勉強直後に60分程度の仮眠をとるのが目安だ」と栗山室長は話す。ただ、30分以上寝てしまうと、脳が完全に目覚めるまでに時間がかかり、しばらくはボーッとして頭が働かない。寝起きの悪い人は注意したい。

    15分程度の短い仮眠は昼間の眠気解消に役立つ。こうした特徴をふまえて使い分けてみてはどうだろう。
    出典 ::日本経済新聞
  • 昼寝は健康によい

  • 心臓病のリスク低下

     

    ギリシャで行われた調査によると、頻繁に昼寝をする人が昼寝を全く、あるいはほとんどしない人よりも心臓病にかかる割合が低い、という結果が出た。

    調査を行ったメドニック博士は、昼寝の必要性について「忙しい人ほど必要で、5〜90分が最適だ」と提唱している。

  • 高血圧の改善

     

    昼寝には、血圧を下げる効果があり、ひいては自律神経系が鎮静化する。このことから、昼寝はリラクゼーション効果につながると言われている。

    高齢者にとっては血圧が下がることは健康に良く、脳梗塞などの命に係わる病気を引き起こすリスクを低減させる。

  • 昼寝のし過ぎは健康に悪い、という説も・・・

  • よく昼寝をする高齢者は2型糖尿病リスクが高くなる?

     

    英国バーミンガム大学のトーマス博士が、高齢の中国人集団を対象に調査を行ったところ、よく昼寝をする習慣がある人では2型糖尿病と空腹時血糖異常のリスクが高いことがわかった。

    「週4~6回昼寝をする」と答えた人では2型糖尿病のリスクが36%高く、「毎日する」と答えた人では28%高かった。同様の関連は昼寝と空腹時血糖異常との間にも見られた。これらの関連は、元々健康状態に問題がある人、日中に眠くなる人を除外しても変化がなかった。

    このことから、糖尿病が日中に眠気を感じる原因ではなく、昼寝によって糖尿病リスクが増加する可能性が高いとしている。

     Thomas博士らは,今回の横断的研究で中国の広州で実施された住民調査のベースラインデータを検討した。この調査は広州バイオバンクコホート研究と呼ばれ,広州市第12人民病院およびバーミンガムと香港の大学が共同で行った。この調査では,2003~04年と2005~06年に,1万9,567例(50~93歳)が登録され,女性は1万3,972例(平均年齢61.4歳),男性は5,595例(同64.2歳)であった。

  • 効果的な昼寝の条件

  • 昼寝のポイント

     

    長さ:15分程度
    姿勢:上体を後ろに傾け過ぎない、脚を伸ばす
    時間帯:午後1時頃から3時頃