「脳死」は人の死なのか?脳死臓器移植は?脳死にまつわる問題、トピックスを検証

「脳死」は「人の死」なのでしょうか?脳死段階での臓器移植は問題ないのでしょうか?そうした脳死関連の問題、トピックスはニュースでもよく耳にします。この機会に、一度脳死問題を考えてみてはどうでしょう?

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  • 脳死とはそもそもいったいどんな状態なのでしょう?

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    脳死と植物状態は混同されがちですが、植物状態では脳幹がまた機能しています。

  • 脳死(英:brain death)とは、ヒトの脳幹を含めた脳すべての機能が不可逆的に回復不可能な段階まで低下した状態のことである。ただしこの定義は難しく、現在も国によって定義は異なり、大半の国々は大脳と脳幹の機能低下に注目した「全脳死」を脳死としているが、イギリスでは脳幹のみの機能低下を条件とする「脳幹死」を採用しています。

  • 脳死になると、「脳」はどんな状態になるの?

  • 脳死状態だった脳を、心肺停止後に取り出して上から見ると、脳の真ん中の線が開いてしまっている。脳の山になっているところを脳回、山と山の間を脳溝というが、脳が腫れているので頭蓋骨の内面で圧迫され、脳回が山の状態にならず平らになってしまっている。
    脳は、普通は木綿豆腐かそれ以上の硬さがあるが、脳が融けた状態になると絹ごし豆腐以下の軟らかさになっている。軟らかいので、取り出して台の上に置くとダラッと広がってしまう。赤血球が壊れ、ヘモグロビンという色素が浸潤して色がついている。

    このように、正常な状態の脳とは明らかに違った状態を示す。

  • 「脳死」問題が、どうしてクローズアップされてきたの?

  • 古代から、人間の死とは心停止であることが自明のことであったため、医学的に厳密に定義することはさほど重要ではなかった。心臓が止まったら=「死」ということだったのだ。
    一般に、脳、心臓、肺すべての機能が停止した場合(三兆候説)と考えられており、医師が死亡確認の際に呼吸、脈拍、対光反射の消失を確認することはこれに由来している。そのチェックの順序としては一般に、肺機能の停止→心臓機能の停止→脳機能の停止という過程を辿ることになる。

  • しかし医療技術の発達により、脳の心肺機能を制御する能力が喪失していても(そのため自発呼吸ができなくても)、人工呼吸器により呼吸と循環が保たれた状態が出現することとなった。すなわち、

    ●脳幹機能の停止=本来ならば心肺機能が停止する筈だが、人工呼吸器により呼吸が継続される
    ●心臓機能も維持される

    これらの過程の結果生ずる状態が脳死となったのです。

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    医療技術の発達とともに、脳幹機能の停止にかかわらず、呼吸や心肺機能の維持が可能となり、「脳死」が生まれました。

  • 脳死は、心肺機能に致命的な損傷はないが、頭部にのみ(例えば何らかの交通事故などを原因として)強い衝撃を受けた場合や、脳卒中、くも膜下出血等の脳の病気が原因で発生することが多い。

    脳死という状態は、人工呼吸器が開発・実用化された1950年代頃に現れるようになり、それにつれて脳死をめぐる死の判断などが問題化した。

  • 日本での「脳死」の受け止められ方は?

  • 本来、脳死に陥った患者は随意運動(自分の意思での運動)ができず、何も感じず、近いうちに(あるいは人工呼吸器を外せば)確実に心停止するとされる状態の筈である。
    しかし、たとえば、ラザロ徴候など脳死者の中には、自発的に身体を動かすことがあるなど、それを否定するような現象の報告例も見られることもある。
    また、人工呼吸器とは言え、呼吸があり心臓が動いている、体温が維持されることなどから、脳死という生理学的観念が普及する以前は一般人にとって脳死を人の死とすることに根強い抵抗が存在した。日本においては臓器提供時を除き、脳死を個体死とすることはいまだに法律により認められていない。

  • 日本でも少しずつ事例が増加、脳死段階での臓器移植

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    「人の死」に関することだけに、様々な立場、見解、意見が議論されました。

  • 改正臓器移植法施行3年、15歳未満の脳死移植2例どまり

    家族の承諾で15歳未満の子供の脳死移植が可能になった改正臓器移植法施行から17日で3年。移植を待つ子供は後を絶たないが、脳死判定された15歳未満の子供からの臓器提供は2例にとどまり、昨年6月以降は実施されていない。移植体制の拡充や社会的な理解を広げることなど、課題は依然として多く、専門家は「活発な議論を」と呼びかけている。

    日本臓器移植ネットワークによると、改正法施行後3年間の脳死移植は全体で140例。2007~09年の3年間(33例)と比べ約4倍になった。意思表示カードを持っていなくても家族の承諾があれば移植できるようになったことが増加の主な理由で、約8割にあたる110例は家族の承諾に基づいて実施された。

    法改正により15歳未満の子供からの脳死移植も可能になったが、16日時点で2例にとどまる。昨年6月には、富山大病院(富山市)で6歳未満として国内で初めて脳死判定された男児からの臓器提供があり、小児の移植医療への道を切り開いたものの、その後1年以上たっても3例目は実施されていない。

    出典 ::日本経済新聞
     

    法改正により、意思表示カードなしでも家族の承諾で移植できるようになったことが、移植数の増加を押し上げているようです。

  • メディアでも題材として取り上げられる脳死問題

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    視聴者数が多いテレビドラマだけに、こうした微妙な問題の取り扱いは注目されます。