そこが知りたい!ALSは遺伝する病気なのか!?

セレブ達の間で始まり、ニュースなどでも賛否両論で取り沙汰されたALSアイスバケツチャレンジというチャリティー。
ALS(筋委縮性側索硬化症)は神経細胞に異常をきたす病気で、筋肉を動かすことが出来なくなる病気です。
この病気は遺伝する病気なのでしょうか。

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  • ALS(筋委縮性側索硬化症)について

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    ここではまず、ALSという病気についての基本的なことをおさらいしましょう。

  • ALSは筋委縮性側索硬化症といって、その名の通り筋肉が働かず弱って委縮することによって硬くなり動かなくなってしまう症状の病気で難病の一つに認定されています。
    神経細胞が侵されることによって脳からの「動け」という指示が筋肉に届かなくなり、筋肉が使われないことで弱って固まってしまうのです。

    今のところ、ALSを根治させる薬は見つかっていません。

  • 遺伝に関わる!?ALS原因遺伝子が次々に発見!

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    「ALSが遺伝するのか?」という問いに対して、答えは「基本的には遺伝しません」とお答えすることになります。

    ただし、家族内にALSの患者さんがいる場合には遺伝する可能性は0ではありません。
    両親・その兄弟・祖父母などにALSの方がいた場合、全体の約5%は家族性ALSを発症すると言われています。

    また、家族性ALSの約20%の方にスーパーオキシド・ジスムターゼ(SOD1)という酵素の遺伝子に異常が見つかっているという研究結果が出てきました。

    加えてTDP43, FUS, optineurin, ユビキリン2, C9ORF72, SQSTM1と呼ばれる遺伝子にも異常が見られるということが、最近の研究で明らかとなりALS原因特定へ向けての遺伝子が次々と発見されています。

  • 家族性ALS患者さんのiPS細胞から新薬誕生か!?

  • ALSで苦しんでいらっしゃる多くの方に朗報が聞こえてきたのはつい最近のことです。
    ALS治療薬シーズ(ALSの治療薬につながる種のこと)が発見されたというのです。

    これは、家族性ALS患者さん由来のiPS細胞から同じ状態の細胞を作り、病気の原理などを研究することによって得られた研究結果です。

    通常であればTDP-43というたんぱく質が自己調節をしながら脳から出た命令を適切に神経細胞に伝える働きをすることが分かりました。
    しかし、ALS患者はこのTDP-43の自己調節機能に異常をきたしている為に神経細胞を攻撃したり死滅させたりしてしまうのです。

    そこで、神経細胞のスムーズな伝達と代謝を促す作用がある化合物をALSに侵された細胞に作用させたところ、アナカルジン酸によって異常が抑制され回復するという結果が得られたのだそうです。

    このアナカルジン酸の発見によって、ALSの治療薬にまた一歩近づいたことになります。

  • ★アイスバケツチャレンジ★

     

    2014年の夏に流行したALSアイスバケツチャレンジ。
    この運動はALSの研究を支援するためにALS研究施設に寄付をするか、氷水をかぶるというチャリティー運動です。

    氷水を被る意味については、ALS(筋委縮性側索硬化症)という病気が神経細胞が侵されることによって筋肉が動かせなくなってしまう症状であるため、それを身を持って体験するという意味が含まれていると考えられます。

    この運動は賛否両論で様々な意見が飛び交いましたが、ALSを世界中に認知させる役割に関して言えば十分に成果はあったのではないかと思います。

  • アナカルジン酸の発見に伴い、ALSの新薬研究にも拍車がかかってきました。
    多くの患者さんが待ち望んでいる治療薬…チャリティーで集まった募金がそれらの役に立つことを願っています。